エコの作法

「美しくなるにつれて若くなる」って、どういう意味? 白洲正子に学ぶアンチエイジングの極意

「美しくなるにつれて若くなる」って、どういう意味? 白洲正子に学ぶアンチエイジングの極意

「美」と「若々しさ」...女性ならどうしても気になってしまう、このワード。同じ年齢でも、いつまでも若々しく美しい人と、なんだか疲れて、実年齢よりも上に見えてしまう人がいる気がします。その違いはどこからくるのでしょう?

そのヒントが、一冊の本にありました。本の名前は、ずばり『美しくなるにつれて若くなる』! この印象的なタイトルの本の著者は、白洲正子。彼女の名前をご存知ですか? 桐島かれんさんや中谷美紀さんなど、名だたる女優さんたちが「憧れの人」と名を挙げる、大正、昭和を生きた女性です。随筆家、骨董蒐集家、能の研究家などさまざまな顔を持ち、また、夫・白洲次郎に愛された女性としても知られています。白洲正子の写真はこちら。

※写真 『ものを創る』白洲正子著 新潮文庫刊

『美しくなるにつれて若くなる』の本のなかにこんな記述があります。「美しいものは若いのです。美しいものはつねにあたらしいのです。美しいものに触れて驚く、その精神は新鮮です。それは時間を超越した、年齢の格差すら存在いない、まったく別の世界をかたちづくります」
独特の文体で少しわかりづらいですが、常に「美しいもの」に感動する心が、みずみずしい若さを生み出す、と読み解ける気がします。なぜなら、正子がそれを体現した人だったから。日本の美を愛し、旅を愛し、生活を愛し、おしゃれを愛し、1998年に88歳で亡くなるまで、この本のタイトル通り年齢を超越した美しさで輝き続けました。

正子が、半生を過ごした家が東京にあります。町田市の鶴川にある旧白洲邸「武相荘(ぶあいそう)」。正子が白洲次郎とともに昭和18年から晩年まで暮らした家で、2人が使っていた身の回りの品々が、生活していた時と同じ様に残され、現在は一般公開されています。

鶴川は現在でこそ住宅地ですが、その頃は何もない野山だったと、正子は記しています。当時で築100年の古い農家を、今で言うリノベーションをして住んだのですから、「田舎暮し」の先駆けですね。空間作りから、家具や装飾品、部屋のすみずみまで2人の感性で彩られていて、たとえば土間だったところに白いタイルを敷いて、ソファを置いたリビングルームなど、今見てもそのセンスにはうならされます。

ある部屋には正子が愛した陶磁器や着物が展示されています。「どんな高価なものも、そばに置いて使った方がよい」という考えで、人間国宝作家の器や高価な紬も日常使いをしていたといいます。生活に根ざした美を何より好んだのです。

また、花を愛した正子は、玄関や部屋にいつも植物を飾り、燭台にそばちょこを組み合わせた花器や、旅でみつけた漆おけ、佃煮用のかごなども花器にしていたそうです。思い込みにとらわれず、自由に美しいものを取り入れるセンスに脱帽!

「日本の美の目利き」である一方で、ヴィトンの旅行かばんや、ミッソーニのセーターなども愛用していたという正子。美しさに、みずみずしい心で感動し、ジャンルや既成概念にとらわれず、自分だけの物の見方や価値観を生み出していくこと、それが正子の若さ、美しさの秘密なのかもしれませんね。

武相荘

東京都町田市能ヶ谷7丁目3-2  Tel : 042-735-5732
[開館時間]10:00~17:00(入館は16:30まで)  [休館日]毎週月・火曜(祝日、振替休日は開館)
[入館料]1,000円

BS朝日 エコの作法 毎週金曜よる10:00~10:54 放送中!

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白洲正子

5月23日(金)「白洲正子」

日本の美をみつめた白洲正子。白洲夫妻が暮らした家に残されたものを眺め、正子がかくれ里とよんだ旧街道沿いの道を歩くことで、彼女が発見し伝えようとした日本の本当の美しさとは何かを探ります。

5月30日(金)「白神山地」

日本で初めて自然遺産に登録された白神山地。世界一を誇るブナの原生林。天然記念物のイヌワシやクマゲラなど、様々な動物や植物の生態系が息づいています。作家のC.W.ニコルさんと共に白神山地を巡り、命の営みに触れます。

※番組の内容は予告なく変更される場合があります

エアリーライム

ライター
エアリーライム

和の文化や暮し、手仕事に関わるコンテンツを発信する編集プロダクション。取材の中で出会った「和の手仕事」を世界に伝える、電子書籍のプロジェクト『Japanese Slow Craft』を展開中。

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